タワーマンション(タワマン)は、セキュリティやプライバシーを守りやすく、共用設備やサービスも充実しており、とても便利な住まいです。しかしその反面、「住みづらい」という情報もありますね。
タワマンで快適に住むために大事なのは、インテリアを自分に合ったものにする事です。
なぜなら、タワマン自体の設備や性能、周辺環境は、自分では変えられませんが、
インテリアは、自分の思うようにできるからです。
では、「自分に合ったインテリア」とはどんなものなのでしょうか。
それを知るために、一番簡単でシンプルな方法は、家族構成から考えることです。
家族構成が違えば、生活に必要なものが違ってくるからです。
実際にわたしがインテリアコーディネートをさせてもらったタワーマンションでは、家族構成やライフスタイルに合わせたコーディネートを行い、とても喜んで頂いています。
というわけでこの記事では、3つの家族構成を想定して、それぞれにタワマンで暮らす際におすすめのインテリアを紹介します。
この記事を読むことで、ご自分に合ったインテリアが分かり、タワーマンションでより快適に生活するためのヒントになると思います。
シングル(一人暮らし)なら、名作家具でスタイリッシュに
タワーマンションならではの眺望も独り占め!
満足感のある暮らしを満喫できる、スタイリッシュなインテリアを紹介します。
デザイナーズ家具でスタイリッシュに
せっかくのタワマン暮らしですから、自分のための贅沢を味わってみましょう。
有名デザイナーが手掛けた「名作」と呼ばれる家具や照明は、時代を超えて愛され、
時を経てもその価値が下がることはありません。
少し背伸びをしても、本物を知ることは、その後の人生の指針になりますし、
自宅でそういう作品を味わう満足感は、自己肯定感を高め、自分を成長させてくれます。
タワマンのスタイリッシュな雰囲気を活かすなら、1960年代以降のデザイナー家具がおすすめ。
モダン様式やコンテンポラリーと呼ばれるスタイルです。
レザーやスチール、ガラスなど、硬質な素材、美しいフォルムなどが、
タワーマンションのシンプルな内装や、ゴージャスな夜景に映えること間違いなしです。
窓辺のパーソナルチェアで眺望を楽しむ
おすすめは「コーナーを作る」こと。
タワマンならではの夜景や景色を存分に味わうために、窓辺にお気に入りの一人掛けチェアとテーブルを置いて、
ゆったりとリラックスできるコーナーを作ってみましょう。
窓辺のデザイナーズチェアに腰掛け、景色を見ながらお酒を飲んだり、手元の照明を灯して本を読んだり。
タワマンに住むという満足感をより高められる、贅沢なひと時になるに違いありません。
ホームオフィスは仕事内容で場所を変える
タワマンでホームオフィスを作るなら、より気持ちよく仕事ができるスペースにしたいですね。
ホームオフィスに基本的に必要なものは
・デスク
・チェア
・資料などを置くための棚など
この3つです。
ホームオフィスをどこに作るといいのでしょう。
それは、実は仕事の内容によって違ってきます。
空間デザイン心理学®では、人の心理や脳の動きは、場所によって影響を受けるという研究結果が示されており、
・新しい企画を考えたり、アイデアを出したりするには、見晴らしの良いところや天井の高いところ
・入力や資料整理など、集中が必要な作業には、壁際や、天井の低い「こもり感」のあるところ
が適していると言われています。※
自分の仕事内容に適した場所を選びましょう。
場合によってどちらの仕事もするよ、という方は、仕事内容によって、移動ができると理想的。
といっても、机まで動かすのは大変なので、
・普段の作業は個室のデスクで行い、
・アイデアを出すときはノートやノートパソコンだけを持って、窓辺に座る
という、「ノマド(遊牧民)スタイル」はいかがでしょうか?
※((一社)空間デザイン心理学協会 空間デザイン心理士テキスト2020 高原美由紀)
カップルなら、2人の時間をおしゃれに楽しめる空間づくりを
とても幸せなことだと思います。
せっかくの環境ですから、おしゃれなインテリアを存分に楽しみながら、
「パートナーといい時間を共有できる空間作り」を意識しましょう。
眺望を楽しみながら寄り添えるソファコーナー
ソファの置き方によって、リビングの居心地が大きく変わるからです。
タワマンに暮らすカップルにおすすめなのは、窓に向かってソファを置くこと。
そうすることで、一緒にワクワクした気持ちで眺望を楽しみ、夢を語ることができそうです。
また、ソファが、広いLDの仕切りにもなります。
ソファの周りにはサイドテーブルやスタンドライト、観葉植物などを置けば、居心地アップ。
クッションや小さな毛布などがあると、さらにくつろげます。
二人で一緒にソファに座って、景色を楽しみながらゆっくり過ごす時間。
とても素敵なものになりそうですね!
2人の食事タイムを充実させるには、ダイニングのペンダント照明がマスト
タワマンのリビングダイニングは、大きな、窓がついていることが多いですね。
ながめは素晴らしいのですが、意識が外に向きやすくなっているとも言えます。
カップルが自宅でデート感覚で食事をするなら、外よりもテーブルの上の食事やお酒、
2人の会話を楽しみたいですね。
そんな時に役立つのが、ダイニングテーブルの上を照らすペンダントライトです。
ペンダントライトとは、天井から吊るすタイプの照明の事。
基本的に、一つの吊元に1灯の明かりがついているものを指します。
(一つの吊元から複数の明かりがついているものは「シャンデリア」となります)
ペンダントライトは、主にテーブルの上や、テーブルを囲む人々の顔を照らすための明かりです。
部屋全体の照明は少し暗くし、ペンダントで食卓を照らすことで、意識が食卓に向きやすくなります。
そして、ペンダントライトの温かみのある光は、食事をより美味しく感じさせる、という効果もあります。
お互いの顔も優しく照らされますから、穏やかに話がはずむでしょう。
ベッドルームは照明づかいがポイントに
なぜなら、ベッドルームは日が沈み、暗くなってから過ごす部屋だからです。
「え、眠るときには真っ暗にするから、関係ないよ」という人もいるかと思いますが、
ちょっと待ってください。
眠る前の着替えなどの時は、明かりをつけていますよね。
この時に、照明を寝室に適したものにすることで、脳内で、昼間との切り替えが起こります。
つまり、身体がリラックスモードになるため、その後の眠りの質を上げることができるのです。
寝室の照明のお手本になるのが、ホテルの客室です。
ホテルでは、ベッドの横の低い位置にライトがついていて、手元で明るさを調節できるようになっていますね。
天井からではなく、目よりも低い場所にライトがあることで、まるで夕方のような明かりになり、自然とリラックスしてきます。
ホテルではこの他に、ベッドの足元など、床に近いところも照明がつくようになっています。
これは、夜中に目が覚めてトイレに行くときなど、照明が明るすぎて脳が目覚めてしまい、
もう一度眠りにくくなるのを避けるためです。
まとめると、寝室の照明は
・天井からの明かりは最小限に
・天井に照明をつける場合、ベッドに寝たときにまぶしくない位置にすること。
・ベッドサイドや足元などの低いところに、適度な明るさの照明をつける事。
・天井、ベッドサイド、足元共に手元で明るさを調整できること
がポイントとなります。
もちろん、寝室のムードを高めるにも、こういった照明がとても役立ってくれますよ。
子育てファミリーのインテリアのポイントは、収納と素材、子ども部屋
その反面、子育てには向いていないのではと思う人もいるかもしれません。
タワマンでも子育てがしやすい、つまり、親子がともにのびのびと過ごせ、思いやりや想像力といった情緒を育める。
そして、おちついて学習ができるような環境を作るには、どんなインテリアがいいのか考えてみます。
ストレスなくおしゃれ空間を保つ「簡単収納」のススメ
子どもがいると、どうしても散らかります。
せっかくの見晴らしの良いタワマンで、インテリアもおしゃれにしたいのに、
これでは台無し、と思われるかもしれません。
それを解決する方法を、一つお伝えします。
散らかりっぱなしを防ぐには、とにかく「簡単に片づけられる収納」を作っておけばいいのです。
子どもがいると、さまざまなものがリビングに集まってきますね。
たとえば
・赤ちゃんのうちはおむつやおしりふき、着替え、哺乳瓶などの身の回りのもの、
・少し大きくなると、大小、色とりどりのおもちゃ、ゲーム類。
・学童期には、学校の道具や教科書、筆記用具
などです。
こういったものを、なんでもサッとしまえる収納を用意するのです。
おすすめは、おおざっぱにポンポンといれるだけで片付く、投げ入れ型の収納。
片付けても、またすぐに出して使うものには、こういった簡単な収納で十分です。
リビングに大きな引き出しやボックス、フタつきのかごなどを用意しておき、
片づけたいときは、とにかくそこに入れる。それだけです。
これなら子どもでも自分でできます。
子育て中は時間がありませんから、大事なのは「とにかく簡単にできる」こと。
収納の達人がしているような、仕切りを付けたり、引き出しやボックスに色付きのラベルを
貼ったりすると、
確かに使いやすい収納になります。
でも、そういったことは後からでいいのです。
とにかく簡単に、すぐできる事をしましょう。
おもちゃなどを入れたボックスは、部屋の隅の目立たない壁際などに並べて置けばOK。
タワマンの開放的な窓や景色とも自然とマッチする、気持ちの良いリビングができるはずです。
子どもの情緒を育むには自然素材を使う
タワマンで子どもをのびのびと育てるには、インテリアの素材を意識してみましょう。
マンションの内装はシンプルに作られているため、見方によっては味気なくなりがち。
でも、インテリアは自分で選ぶことができますね。
子どもの感性を豊かに育みたいなら、毎日見て、触れるものの素材感を豊かにすることも大切です。
天然の木や布、紙などから作られた家具や、雑貨を暮らしに取り入れることで、
五感が刺激されます。
五感とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚という5つの感覚を指しますが、
インテリアは、この五感を育てるのに、大いに関係があります。
例えば天然木でできたダイニングテーブルは、自然の不規則な木目が現れていて、
表面に凹凸があり、手触りも優しいです。
インテリア雑貨も、ツルツルしたプラスチック素材ばかりでなく、例えば竹や籐など、
植物を編んだものを取り入れたり、自然素材のラグマットを敷いたり。
また、室内に大きめの観葉植物を置くと、部屋にみずみずしい生命感が生まれます。
インテリアに豊かな素材感を取り入れて、子どもの五感を育てていきましょう。
中学受験に適した勉強場所は、親の気配も感じられるところ
タワマンに暮らす方の中には、お子さんの教育にも関心が高い人も多いと思います。
この記事の一番初めの「シングル(一人暮らし)」のところで、ホームオフィスについて紹介していますが、
そこでは、集中力を高めるのに適した場所は、壁に向かってデスクを置いたり、天井が低い場所。
つまり、ちょっとこもったような場所であると書きました。
小学生の子どもでも、基本的には同じです。
しかし、子どもはまだ発達の途中です。
発達心理学的に見たとき、親離れの時期は、年齢でひとくくりにできるものではなく、一人一人違っています。
受験だから、高学年だからと言って、みんなが子ども部屋の学習机で、一人で勉強ができるとは限りません。
そして、子ども部屋で勉強している子でも、時には親の気配があるところで勉強したくなるかもしれません。
子ども自身が、親との距離感をコントロールできるようにしてあげること、同時に、親が適度に声掛けができることが大切です。
・リビングの近くに、引き戸などで仕切られていたり、奥まった半個室のような部屋があれば、そこを子どもの勉強部屋にする
・親がキッチンやリビングで過ごしている気配を、子どもが何となく感じられる場所を見つけ、そこで勉強できるようにする(ダイニングテーブルなど)
大切なのは、子どもをよく観察し、発達の状態や居心地の好みを見極めること。
親子の距離感を決めるのは、親ではなくて子どもなのです。
その子にとって適した環境を考え、作ってあげましょう。
終わりに
もちろん、家族構成が同じでも、全ての方に当てはまるとは限りませんし、
ここで取り上げた以外にも、例えば高齢者など、たくさんの家族のパターンがあります。
それでも「家族構成によって、適したインテリアが違う」ということは、イメージしてもらえたのではないでしょうか。
この記事をヒントにして、ご自身にぴったりなインテリア空間とはどんなものかを考えてみてください。
そして、最高のタワマン暮らしを実現していただければと思います!
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