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健康になれるインテリアとは?インテリアが心身に与える影響とそのポイントを解説

健康になれるインテリアとは?インテリアが心身に与える影響とそのポイントを解説

「健康になれるインテリア?そんなものあるのかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、「不健康になるインテリア」なら、イメージがつくのではないでしょうか。
ゴミがたくさん散らばっていて不潔。夜はまぶしくて寝られない。
周囲の音が気になって集中できない。
断熱性が低くて夏は暑すぎ、冬はとても寒い。
…確かに、こんな家に住み続けていると、身体の具合も悪くなってしまいそうです。

これは極端な話かと思われますか?
しかし、インテリア相談で依頼者のお宅に伺うと、意外とこれに近い家も多いのです。
もしかしたらあなたの家もそうなっていませんか?

自宅のインテリアを見直して、健康になれる住まいに整えてみませんか。
この記事では、住まいによって健康になれるポイントを、部屋別に紹介しています。


キッチン ―― 収納・照明・家具レイアウト

キッチンは、食を用意を提供するための場所。
身体は食べたものでできていますし、
食事を摂ることで、気持ちも元気になった!という事もありますよね。
心身の元気のために、食を通して栄養をしっかり取るために、
キッチンは大切なのです!
そのために押さえておきたいポイントには、次のようなものがあります。

作業効率を高めてサッと調理

なるべく短時間で、美味しく栄養価の高いものを作りたいですね。
その為には、キッチンの整理整頓が大切です。
無駄なもの、古くなったものは手放し、詰め込むのではなく、ゆとりを持った収納にします。
物を減らすことで掃除もしやすく、清潔を保ちやすくなります。
さらに、調理器具や調味料の置場も効率を意識。
よく使うものをすぐ使える場所に配置して、楽に調理ができる工夫をしましょう。

わたしはキッチン収納をよく「飛行機のコックピットのように」と表現しています。
パイロットは、操縦席に座ったままでたくさんのスイッチを操作しますね。
キッチンもそんなイメージで、できるだけ移動することなく作業ができるように、
物の配置を決めていくと良いです。

食材がハッキリ見える照明を

キッチンは、火や刃物など、危険なものを使う「作業場」でもあります。
また、食材の色で鮮度を見分けたりもします。
手元がよく見えるように、適切な照明を設置しましょう。

キッチンの手元灯は、色の判別がしやすいように、昼白色と呼ばれる、白っぽいものがおすすめです。
また、電球は最大の明るさから急に切れるのではなく、毎日使っているうちに徐々に暗くなります。
しばらく変えていない電球があれば交換しましょう。
自分の頭で影ができない位置につけることも大切です。

調理する人が孤立しないレイアウト

リビングの家族の様子が見れたり、手伝ってもらいやすい、対面式のキッチンが一般的になりました。
しかし、対面式であればいいとは限りません。
案外、見落とされがちなのが、家具のレイアウト。
レイアウトは、単に置きたいサイズの家具が置けるか、部屋が狭く見えないか、などが重視されがちですが、
それだけでは不十分です。
実際に、そこで過ごしてどんな気持ちになるかを考えて決める必要があるのです。

ダイニングやリビングで座る家族が、キッチンに背を向けていたりしませんか。
人に背中を向けられていると、とても疎外感を感じてしまうものです。
もし、ご自宅がそのようになっていたら、一度レイアウトを変えてみましょう。

こんなのたいしたことではない、と思われるかもしれませんが、実際にやってみると、
「ちょっとしたことで全然違いますね!」と驚く人が多いのです。
ぜひ試してみてください。

上の画像は、キッチンからリビングを見たときの違いです。
*左はキッチンに立つ人と、ソファに座る人が会話できます。
*右は、ソファに座っている人からはキッチンが見えません。
キッチンからは、ソファに座る人の後ろ姿(斜め後ろ)が見えています。
このレイアウトだと、キッチンに立つ人が家族から拒絶されているような気分になってしまいます。

ダイニング ―― カラー・家具の素材・座り心地

ダイニングは食事の場。
落ち着いた環境で、楽しい気持ちで食事をすることで、栄養の吸収もアップします。

オレンジ系やイエローなどの暖色系で食欲アップ

食欲をアップさせるのは暖色系。
特に黄色、オレンジ色は、胃腸の働きを促進するとされています。
「ビタミンカラー」と呼ばれる明るい黄緑色や黄色も、心身を活性化させる色です。
テーブルマットや食器、花などに取り入れて、食事を楽しく取れるようにしましょう。
ひとり暮らしの方、ひとりで食事をする方も、ぜひオレンジやビタミンカラーを使って、
明るい気持ちで食事をしてみてください。
ダイニングの照明は、暖色系を引き立て、食べ物がおいしく見える「電球色」で。

ダイニングテーブル、チェアは素材と座り心地に注目

食事を落ち着いて楽しく摂るには、ダイニング家具の素材がポイントになってきます。
ダイニングテーブルには色んな素材のものがあり、木以外にも、ガラスや、最近はセラミックや、モルタル調の樹脂製も人気になっています。
そういった素材は、クールでスタイリッシュで素敵なのですが、その反面、冷たさを感じさせます。
実際に触れると冷たいことも多く、身体がリラックスできません。
美味しく食べることや健康を軸にインテリアを考える場合、目で見たとき、触れたときに、温かさを感じる、木製がおすすめ。
木よりももっとスッキリしたのがいいな、という方には、※リノリウムの天板がおすすめです。

チェアは、食事中の姿勢を正しく保てることが大切。
適正な座面の硬さや、高さであるかを確認します。
背もたれのカーブが腰を支えてくれると、とても座り心地がいいです。

テーブルの高さとの関係も大切。
テーブル天面と椅子の座面の高さの差を、差尺(さじゃく)といいますが、差尺は一般的に27~30センチくらいがいいとされています。

椅子は重すぎると引きにくくなり、姿勢が悪くなりますので、適度な軽さのものが良いでしょう。


寝室 ―― 床の素材・照明

睡眠については最近関心が高まっています。
特に日本人は世界でも睡眠時間が短いと言われています。
睡眠の質を上げる効果のあるドリンクや錠剤なども販売されていて、人気があるようですが、
インテリアによっても、睡眠の質を上げることができます

床にカーペットを敷く

カーペット敷の良さが見直されてきています。

床にカーペットを敷くことで、
*音を吸収するので静か
*暖かくやわらかいので、ストレスが軽減される
*ホコリの舞い上がりを抑えられる、
*柔らかくクッション性があるので転倒落下時の衝撃が小さい
などのメリットがあります。
これらを実証する研究結果は、下のリンク「日本カーペット工業組合」ホームページなどで紹介されています。
大変興味深い研究結果ですので、ご興味のある方はご覧ください。

カーペットは、もちろんリビングや子ども部屋に敷いてもいいですが、
寝室にもとても適しています。

カーペットには様々な素材のものがありますが、
ウール素材は冬は暖かく、夏は意外とサラッと爽やかに感じられるので
おすすめです。

また、部屋全体に敷き詰めるのは難しいなら、ベッドの足元にラグを敷いたりしてもかまいません。


眠りに適した照明にする

明かりは、睡眠と大きな関係があります。
睡眠の質を上げるため、寝室の照明で特に気を付けたいことは
*明るさ
*光の色
*光の場所
です。

眠る前に明るい照明を浴びると、睡眠ホルモンの分泌が妨げられます。
寝る前には照明を落としましょう。

そのためにも、明るさを調整できる照明を用意します。
調光操作はベッドでできるよう、ベッドのそばにコントローラーをつけたり、リモコンで調光するなどしましょう。

また、シーリングライトなど、部屋全体を照らす照明を天井につけている場合は、
寝る前には使わないようにします。
夜中に目が覚めたときは、最小限の明るさでトイレなどに行けるよう、常夜灯を使用しましょう。
ベッドサイドに小さなライトを置いておくのはインテリア的にも美しく、ゆったりリラックスした気分に導いてくれます。



トイレ ―― 空気環境・カラー

トイレも、健康な生活のための大切な場所です。
リラックスして気持ちよく過ごせるようにしたいですね。
小さい部屋なので、インテリアを作るのも比較的簡単。
ぜひ、お気に入りの場所として整えましょう。

湿度や温度など「空気環境」を高める

(画像:LIXIL)


トイレのインテリアのポイントは、「空気環境を整える」こと。

空気環境とは
*湿度
*におい
*温度
など、目に見えない環境です。
目には見えませんが、空気環境が良いと、とても気持ちいいものです。

トイレは、湿気やにおいがこもりやすい場所。
壁にエコカラットや、しっくい・珪藻土といった調湿効果のある仕上げ材を使うと、
とても爽やかで、気持ちのいい空気になります。

トイレに入るとヒヤッとしたり、蒸し暑かったりすることはありませんか?
居室との温度差を小さくすると、居心地がよくなります。

アロマディフューザーや消臭アイテムは、トイレの匂い問題を解消するとともに、雰囲気を高めてくれるアイテムにもなります。
インテリアのアクセントにもなって、豊かなトイレ空間を演出してくれます。
トイレのインテリアイメージに合わせて選び、置いてみましょう。


トイレに適した色づかいとは?

トイレにも、胃腸の動きを活発にする暖色系が適しています。
寒色系は冷たい印象となり、無意識に、身体をキュッと縮めてしまいます。
反対に、暖色系を目にすることで、身体の機能が発揮されやすいです。
特に黄色、オレンジは、消化を促進する効果を持っています。
グリーンも、心身をリラックスさせてくれる色です。
こういった色を、目に入りやすい壁紙やスリッパ、タオル等に取り入れてみましょう!

健康になれるインテリアまとめ

この記事では、インテリアを工夫することで、健康になれる方法をご紹介しました。

ここ数年、日本でも世界でも、たくさんの変化がありました。
2024年はますますそれが加速していくという予測が出ています。
いうまでもなく、2024年の元日から、日本では大震災が起こりましたが、
自然災害だけでなく、経済面、政治面など、世界中でこれから色んなことが大きく変わっていくと言われています。

それによって、ご自身のお仕事などに影響を受ける人も多いと思われますが、
振り回されずに乗り越えていくには、まず自分自身が安定していることが大切。
その最大の条件が、心や身体の健康です。
どんなことがあっても、健康であれば多少の事は乗り越えていけます。

是非今こそ、健康になれるインテリアを実践してみてください!



    

PROFILE

水田 恵子
水田 恵子インテリアコーディネーター事務所「Office SPIRAL」主宰
大阪市を中心にインテリアコーディネーターとして活動。2014年に個人事業Office SPIRAL、2022年に株式会社S.O.Pを設立。
専門分野:空間デザイン心理学®を使った、一般住宅・宿泊施設・サロン等のインテリアコーディネート

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